パワービルダー(一建設・アーネストワン・アイディホーム・飯田産業・アイダ設計等)建売の値下げ交渉
値引き交渉は、買うときに一度だけできる
「この値段に値下げしてくれたら買います」とか「コミコミでこの価格にしてくれたら買います」と、よく言われます。
不動産の値下げ交渉は、買う前ではなく購入時にするものです。以下に流れを説明します。
不動産取引は書面で購入を申し込みをして(買付といいます)売主に購入条件を提示して始まります。
口頭では無く、必ず書面に拠ります。
価格交渉は「この家を買おう」と、決めて、最初に書面で購入申し込みをするときの一度しかできません。
売主担当者とやりとりするのは、仲介業者の役目で直接買主が交渉できないことも覚えておきましょう。
買付は買主さんの購入希望価格で出します、極端に安くオファーすると門前払いにあいますが「予算が届かないけど、どうしても!」とダメ元で買付を出すこともあります。
売主さんは「この価格迄、買い上げできないか?」「追加でオプションは?」など条件を出してきます。「月末までに決済するので何とかならないか」等交渉し、条件が合えば売買契約となります。
不動産は一つしかない、あなたより高値で買う人がいれば販売終了です
買付は、先着順に交渉権を得るのがルールです(1番手、2番手といいます)
ほぼ同時に買付が入ることもよくあります、その場合は売主が好条件を選択することになります。
例えば、あなたが、2480万円で売りに出ている物件を、「(100万円値下げの)2380万円で、住宅ローンを使い今月末日までに決済します」という内容で買付を入れたとします。同じタイミングで「2480万円で、ローンを使い今月末日までに決済します」という買付が他から入った場合は、2480万円で購入するか、諦めるかの二択です。
建売の値下げ交渉がしやすいのはこんなときです
値引きを引き出しやすいのはこんなときです。
①決算期:四半期(6月、9月、12月、3月)
②早く売りたい理由がある:借入金の利払いや償還期、競合物件が近くにできた、想定外に需要が無い(急な景気後退)など。
③多棟現場:最初の一棟又は最後の一棟(現場ごとに採算を計算するので価格調整しやすい)
④完成してから期間が経過した時:築後1年経つと新築表記が出来なくなるので、完成後1年が近い物件(大手では見たことないですが、地場の建設屋さんで、たまに出ます)
いずれも、他に購入希望者がいないことが、前提になります。
売主担当は、土地を仕入れて、分譲プランを立て、建設手配等一連の流れの中で、現場毎に利益を出すことを仕事にしており、値付けには根拠があります。
キャッシュで買うと安くなるのか?よく聞かれる値引きのこと
カーテンレール、網戸等のオプションを売主(売主紹介業者)から購入することを値引きの条件にする売主業者さんは多いですが、
沢山オプション頼むから大きく値引きをしてくれることは無いと思ってください。
売主オプションは、住宅販売部門(販売営業所)の売り上げにならないことが理由です。
大手のビルダーは、値下げルールが決まっている
売り出しから販売終了までの価格改定のタイミングは
①売り出し時
②上棟時
③建物完成時
④完成後
時期と販売状況によって、段階的に価格を見直していきます。土日の販売状況により翌週の価格を改定します。アットホームなどには月火に値下げ価格が反映されます。
2021年コロナの影響で価格交渉はどうなった!
コロナで世界的に建築用木材の需要が増え、ウッドショックと呼ばれる木材の高騰が起きました。2021年、埼玉の新築建売価格は上昇中です。大手ビルダーさんの担当者に伺うと「ウッドショックで建売住宅の原価が上がってきているが、販売価格に上乗せするのは難しい」という声をよく聞きます。「建売の販売は好調だけど、ボーナスは減った」という方もいました。
「今までみたいに、端数カット(80万とか)は、できないんですよ」というケースが増えています。
(上期決算の)9月末決済で値引きをしてもらえたケースはありましたが、年末から来年にかけての価格交渉は難しい見込みです。
「グリーン住宅ポイント制度」の申請は2021年10月末で終了します。また、11月末で「住宅ローン控除13年特例」や「すまい給付金制度」が終了予定(延長があるかも?)なこともあり、建売住宅の購入を検討している方は早めに動いた方が良いと思います。
仲介手数料無料の不動産屋から購入するのが有利な理由
新築仲介手数料無料の不動産屋で手数料を節約し、売主に物件の値引きをしてもらえれば一番安く買えます。
同じ物件に買付を入れたAさんとBさんを例にしてみましょう。
例:Aさんは2480万円の物件を仲介手数料有りの不動産屋を通して、100万円引きの2380万円で買付を入れたとします。
物件価格2380万円+仲介手数料85万円=2465万円①
同じ物件にBさんは仲介手数料無料の不動産屋を通して、80万円引きの2400万円で買付を入れたとします。
物件価格2400万円+仲介手数料0円=2400万円②
Bさんは購入価格が高いため希望の物件を購入できました。
まとめ
・値下げ交渉は、購入申し込み時に書面で1度だけできる。
(売主直取引以外は)不動産仲介が売主と交渉し、買主は売主と直接交渉できない。
・仲介の担当者が、どんなに交渉力に優れていて売主と懇意であっても、あなたより高値で買う人がいると値下げ交渉はできない。
(あなたが欲しいと思った家は、他にも欲しい人がいると思いませんか?)
・値下げ交渉がしやすいタイミングがある。
・2021年はウッドショックの影響で原価が上昇中、値引きの余地が無い傾向が続いている。
〈この記事を書いた人〉
桜コンサルティング 代表 菅 弘之
宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(個人資産相談業務)
埼玉県の新築一戸建てを仲介手数料無料で仲介しています。ポータルサイト掲載物件(他社掲載物件でOK)現地販売物件(他社ののぼり物件でOK)で気になるものがあればお気軽にお問合せください。購入見積もり返信いたします。