2022年4月版「住宅ローン利用者の実態調査」を解説します
変動金利76%、固定期間選択12%、全期間固定12%、変動金利を利用する方が約8割
住宅金融支援機構の「民間住宅ローンの利用者調査2022年4月調査」によると、新築建売購入者は76%の方が変動金利を選択しており、固定期間選択が12%、全期間固定が12%とのことで、変動金利を選ぶ方が圧倒的に多いです。
金利の種類は、①変動②固定期間選択③全期間固定 の3種類です。
変動金利は半年ごとに金利の見直しをします、近年、低金利が続いていることもあり増加傾向とのこと。
固定期間選択は当初〇年は固定金利で、期間終了後は、原則変動金利になります(再度固定が選べる銀行もあります)
固定期間は2年・3年・5年・10年・15年・20年等があります。
全期間固定金利は、扱っている金融機関があまりなく、フラット35利用者が約6割です。
どういう理由で住宅ローンを選んでいるのか?
引き続き、住宅金支援機構の調査によると、住宅ローンを選んだ理由ベスト3は(フラット35を除く)
1位「金利が低い」70%
2位「住宅販売(営業マン)の勧め」19%
3位「団信保険の充実」21%
となっています。以下、「諸費用(手数料)が安い」「金利上昇に備えたい」等が続きます。
金利が低い住宅ローンを営業マンに紹介されて借りる方が多く、結果的に変動金利を利用される方が多いということがわかります。
固定期間選択型では10年以上の期間を選ぶ方が76%と最多
固定金利は金利が上がる不安が少ないことが選ばれる理由です。但し変動金利より金利が高く設定されており金利負担が増えます。
固定期間選択型では46%の方が10年以上の期間を、30%の方が10年固定を選んでおり、合わせて8割近い方が10年以上の固定期間を選択しています。
毎月、月初にメガバンクの住宅ローン金利動向がニュースになります、「10年固定の住宅ローン金利」を取り上げますが、この固定期間金利で借りている方はあまりいらっしゃらないのが実情です。
10年固定を選ぶ方は①住宅ローン減税期間(新築13年、中古10年)後に繰り上げ返済をする予定 ②固定期間後に子育てがひと段落し教育費が掛からなくなる③退職金等で10年後にまとまったお金が入る予定がある。という方が利用されています。
変動金利の5年ルールと125%ルールとは
変動金利は低金利が魅力ですが、金利が上がると返済額が増えるので不安に感じる方も多いと思います。変動金利の二つのルールを解説します。
変動金利は、半年ごとに金利の見直しをしますが、半年ごとに返済額が変わっては家計の維持が大変なので、どんなに金利が上がっても5年間は返済額が変わらないというルールを多くの金融機関が採用しています。(5年ルール)
また、5年後の返済額上限は25%増しまで(125%ルール)という2つのルールがあります。
例えば月々10万円の返済で、金利が上昇した場合は5年間は月々10万円の返済は変わらず、5年後は12万5千円が上限となります。
上がった金利の支払いは、元金と利息の割合で調整しますので元金の返済が少なくなります。
当初の予定より残ってしまった元金は、最終回にまとめて払うことで調整します。
金利上昇があった時は、問題を先延ばしにするということです、最終回までに何らかの手を打つことになります。
新生銀行、ソニー銀行等、ネット銀行は5年ルールと125%ルールがないことが多いです。
変動金利と固定金利は金利の決まり方が違います
変動金利は、日銀が決める政策金利(短期プライムレート)に、固定金利は新発10年物国債の利回りに、固定3年や固定5年は円金利スワップレートで、それぞれ決まるとされています。
固定期間10年の金利は、新発10年物国債の流通価格が上がると下がり、国債の流通価格が下がると上がります。
日銀が10年物国債を買い入れていることにより、低金利を維持しているのが現状です。金利が上昇すると国の借金が増えますので必死に買い支えていますが、いつまで続けるのか不透明です。
固定金利は市場の実態より先に思惑で変わるので、変動金利より先に上がるとされています。
金利の決まり方は複雑なものですが、住宅ローンは長い期間返済しますから、変動と固定の金利は違う基準で決まっていることを抑えておきましょう。
まとめ
住宅ローンは長期に渡り返済していくもの、金利・保証料・団信保険の内容を検討して自分に合う商品を選びましょう。
①収入や家族構成の変動など、先を見てライフプランを考える。
②景気の変動は必ずあることを前提に選択をする。
③変動金利、固定金利のメリット・デメリットを理解する。
・変動金利:金利を重視する方向け。ここ20年近く低金利が続いていることもあり、約7割の方が利用している。
金利上昇場面では、5年ルールと125%ルールがある(問題を先延ばしにする方法、採用していない銀行もある)
変動金利から固定金利に変更できないローンもあるので要確認。
・固定期間選択型:〇年間は固定金利、設定期間が終了すると原則、変動金利になる(固定再設定できるところもあります)。当初固定は10年固定を選ぶ方が多く、その理由は、住宅ローン減税との兼ね合いもあり金利が1%以下の水準であることと、10年間は金利が上がらない安心感。
注意点として、固定期間終了後に変動金利に移行した場合、5年ルール・125%ルールが適用されないため、金利上昇場面では、月々の返済額が増える可能性がある。
・全期間固定金利:金利の変動を心配せずに返済を進めていきたい方にお勧め、フラット35を検討しましょう。
【この記事を書いた人】
桜コンサルティング代表 菅 弘之
宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(2級ファイナンシャル技能士)
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