そもそも《住宅ローン》いくら借りられる?
借りられる金額は年収がベースになります、現在借り入れがあるとその分借入額が減ります。
年収に占める総借金額の割合を「返済比率」といいます、住宅ローンの借入額は金融機関が決めた返済比率で決まります。金融機関や年収によって異なりますが、年収の30%〜40%以内です。
返済比率は、車のローンやクレジットカードのリボ払いなど毎月返済している借入が収入に占める割合のことです。
計算式は、【返済額÷収入額】×100です。
※クレジットの一回払いは対象外です
【返済比率と借入の例】
年収500万円、金融機関の返済比率が30%以内の場合、借入限度額は500万円×30%=150万円/年となります。
150万円÷12か月=12,5万円/月
月あたりの借入額の上限は12万5千円です。
現在、車のローン等を月に4万円返済しているならば、12,5万円-4万円=8.5万円となり
住宅ローンの借入額上限は8万5千円/月です。
《この条件での借入可能額》
住宅ローン:変動金利0.8%、期間35年 ならば月々84,648円の返済で3100万円借入できそうに見えますが
銀行は審査金利で判断しますので
「審査金利3.3% 期間35年 月々84,375円の返済」住宅ローンの借入限度額は2380万円程度になります。
※注:審査金利は金融機関で異なり銀行は3.3%~3.5%程度、信金は実行金利(実際の金利)で見ます。銀行より信金の方が多く借入できるのは審査金利の違いによります。
※近年、返済比率を使わない金融機関が増えてきていますが、収入と返済を審査することに変わりがないようです。
《車ローン・カードローン》等の借入がある場合
オートローン・カードローン等がある場合、住宅ローンの諸費用おまとめで借り換えができる金融機関があります。
返済比率に収まらないローンがある場合は検討してみましょう。
例えば、オートローン200万円を金利0.6%、35年払いに借り換えると月々5280円支払い、年間63,360円の支払いになります。
返済比率が下がるので住宅ローンの借入金が増えます。
オートローン・カードローン等を住宅ローンで纏めたい方は検討してみましょう。
《カードローン・キャッシング》は要注意
借入自体がローン審査に影響するものとして、カードローンがあります。
消費者金融(アコム、アイフル、プロミス、レイク、SMBCモビット等)の借り入れがある場合は
①借入を返済して完済証明書を提出すること
②カードローンの契約解除をすることが住宅ローンの借入条件となります。
大手の消費者金融は、メガバンクの傘下になっているケースが多く、系列の銀行に住宅ローンの申し込みをすると通りやすい傾向はありますが、借入の返済は必須です。
「カードローンを住宅ローンで纏められないか(又は借り換えできないか)?」というご相談は多いです。
【方法】としては、
①借り換えできる銀行に相談する。借入できる銀行はこちらの記事を参照ください。
②フラット35を検討する。
カードローンの返済をせずに住宅ローンを借りる場合は、フラット35を検討しましょう。
返済比率内に収まれば借入できます。
【フラット35の返済比率】
・住宅ローンとその他の借入金を合わせた全ての借入金の返済額が年収に占める割合が基準内であれば借入できます。
年収400万円未満 30%以下
年収400万円以上 35%以下
《税金の滞納・延滞》は解消しましょう
借入ではありませんが、税金の滞納があると住宅ローンは借り入れできません。
コロナで税金を延滞している方は納税してからにしましょう。
住宅ローンは土地建物を抵当にして借りるローンです、税金の滞納で差し押さえになると金融機関は貸したお金を回収できなくなるからです。滞納がある場合は、速やかに納税しましょう。納税したなら大丈夫です。
確定申告が必要な方は申告納税をしましょう、たまに「確定申告が必要な会社員」にお会いすることがあります。
《奨学金》返済中でもOK
夫婦で奨学金を返済中の方も多いです、大学生の半数は奨学金を借りているというデータもあります。
いまのところ、奨学金が理由で住宅ローンが借りられなかったというケースに当たったことはありません。
返済比率にも影響しないです。
日本学生支援機構の奨学金は「個人信用情報の取り扱いに関する同意書を提出している方のうち、現在奨学金を返済されている方は延滞3か月以上の場合に個人信用機関に延滞情報が登録される」とのこと。
延滞していなければ、住宅ローンに影響ないです。
心配な方は、CICの個人情報を確認すると良いです(自分で確認できます、手数料千円)
ローン審査に影響なくても家計には影響します。
まとめ
《借入の種類》によって住宅ローン審査への影響は異なります。
遅れなく返済を続けていることが前提です。
①住宅ローンに影響しないもの
例:奨学金、クレジット一回払い
②返済比率で借入額の制限があるもの(月々の支払額が影響するもの)
例:オートローン、クレジットリボ払い
但し、オートローン等の目的ローンは住宅ローンで纏められる金融機関があります。
③基本返済するもの(完済が条件になるもの)
例:カードローン、税金の滞納
カードローンはおまとめできる銀行があります。
返済比率内の場合フラットで借入できる場合があります。
税金未納で借入できるところはない。
と、なります。
住宅ローンの借入可能額を知るために、ローン相談の際には現在の借入返済表を用意しましょう。
過去に滞納がある場合は、個人情報を確認しましょう⇒個人情報と住宅ローンについてはコチラの記事を参照ください。
《この記事を書いた人》
桜コンサルティング代表 菅 弘之
宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー(二級ファイナンシャル技能士)
埼玉県の不動産屋です。わかりにくいことをわかりやすく、安心安全な不動産取引をご案内します。家を買おうと思ったらお気軽にご相談ください。
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